「WEBサイト制作」と「メール制作」の違い 4つのポイント(後編)

May 10, 2016 / コラム
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「WEBサイト制作」と「メール制作」、
どちらもWEBディレクターがプロジェクト推進・品質管理を行う仕事です。
ところが、いざ、実際にディレクションしてみると、
両者それぞれで制作の進め方・意識すべきポイントが、けっこう異なります。

今回は、特に「メール制作」のディレクションを行う上での注意点
「WEBサイト制作」と比較した時の違いをご紹介します。
※4つのポイントを、前・後編に分けて連載します。

前編はこちら>「WEBサイト制作」と「メール制作」の違い 4つのポイント(前編)

 <前編>
 ◎チャネル特性の違い
 ◎原稿の違い

 <後編>
 ◎ブラウザとメーラーの違い
 ◎リリース方法の違い

ブラウザとメーラーの違い

WEBサイトを表示するブラウザは、HTML・JavaScript ・CSSをはじめ、CGIやPHPなどのプログラムも組み合わせ、様々な表現・サービス提供が行えるようにできています。
インターネットバンキングやショッピングカートなど、私たちが日常的に使っているサービスも、裏側ではさまざまな言語・プログラムが動いています。
技術の組み合わせに対応して画面に表示する柔軟性の高さこそが、ブラウザの唯一にして最大の機能とも言えます。

一方、メーラーの場合、メールの仕組み・特性に由来し、ブラウザにはない制約が様々あります。
代表的なものとしては、下記があげられます。

HTMLメールは1通につき1つの画面で閲覧
WEBサイトのように複数ページで情報を整理して伝えることができないため、基本的に多量の情報をまとめて見せることには不向き。

JavaScript を使えない
プログラムを使用した個人情報抜き取りを防ぐため、一般的なメーラーではJavaScriptなどのプログラムが簡単に動作しないよう設定されている。(JavaScriptを使うことでスパムメール扱いされる恐れも)

閲覧環境が多く、閲覧環境ごとに表示の仕方が異なる
PCメーラー・スマートフォンアプリ・Webメールと、メールを閲覧する環境がさまざま存在する。また、閲覧環境ごとにCSSの対応にばらつきがあり、メールの表示の仕方が微妙に異なる。

HTMLメールは、制作時にこうした制約を考慮する必要があります。HTMLで制作する点は同じでも、メール制作とWEBサイト制作とでは内容面、技術面 双方で条件が大きく異なる のです。

複雑な情報の提供、商品購入・登録といったアクション実行は、WEBサイトの得意分野です。メールの構成を検討する際は、具体的なアクションをリンク先のWEBサイトに任せ、
メールが持つ基本的な役割 「メッセージの伝達」 「リンク先への誘導」 にフォーカスを絞り、

 ・どういう伝え方をすると、興味を持ってもらえるか
 ・どういう見せ方をすると、リンクをクリックしてもらえるか

この2つのポイントを強く意識することが、
よく伝わり、効果の出るメールをつくるための大原則です。

なお、こうしたメールとWEBサイトの役割分担についても最近は新しい動きがあります。いままでにないメールの使い方を可能にするスマートフォン向けメールの制作手法 キネティックメール の登場です。
この手法を使うことで、たとえばロールオーバー画像やイメージスライダー、アコーディオンメニューといった、いまやWEBサイトでは一般的となったUIをメール内で実現できます。応用の仕方次第では「メール内で直接動作するショッピングカート」も構築できると言われています。
今後、スマートフォンの普及にともない、キネティックメールの採用例が増えてくると、メールの役割は大きく変化する可能性があります。

※キネティックEメールについて詳しくは下記の記事をご参照ください。
 【海外で話題】スマホ向けメールの新潮流「キネティックEメール」とは?



リリース方法の違い

WEBサイトは、WEBサーバーへとファイルやデータをアップロードすることで、リリースされます。
つまり、公開されるサーバー内データは、WEBサイト管理者の手元にあるデータとも言えます。
万一、掲載内容に誤りがあった場合、手元のデータを変更することで内容修正は可能です。コンテンツ管理やサイト公開のワークフローを度外視してのお話ですが、修正できる・できないで言えば、修正できます。

一方、メールの場合は、本配信がコンテンツのリリースにあたり、配信されたメールデータは、受信者のメーラーで受信され、閲覧されます。
当然なお話ですが、受信者のメーラー内に格納されたデータを、第三者が後から取り消し・修正することはできません。配信を行ったメールオーナーには、配信を止めることはできても、基本的に 一度配信してしまったメールは、後から修正ができない のです。

誤配信による信頼低下は、メールマーケティングだけにとどまらず、企業の営業活動全体にも影響を与えるおそれがあります。内容によっては、お客様への損害賠償など、実際的な損害が発生することも考えられます。
個人情報やプライバシー保護意識の高まりから、メール配信関連のミスやトラブルは、一般の関心をとても集めやすくなっています。
1回のミスを発端として、広く「炎上」してしまうと、お詫び・訂正といった具体的な対応負荷だけではなく、クレーム対応やブランド価値の毀損など、ビジネス継続そのものに深刻な問題を引きおこす事態にもなりかねません。

「メールは一度配信してしまうと取り返しがつかない」 というのはディレクタスの中でも、よく交わされるフレーズです。
安全でスムーズなメール配信を実現するためには、配信内容を正しく精査できる適切な運用フローに基づき、関係者間で綿密なコミュニケーションが行える体制づくりが重要です。


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以上、2回に渡って「WEBサイト制作」と「メール制作」の違いについてご紹介しました。
メールの役割、メールでできることを正しく理解しているか/していないかで、最終的なアウトプットの品質向上、成果に大きな差が出ます。
今回、前・後編であげた4つのポイント、ぜひメール制作に取り組む際の参考にしてください。

 前編はこちら>「WEBサイト制作」と「メール制作」の違い 4つのポイント(前編)


著者プロフィール

金倉 英明

株式会社ディレクタス プロデュースグループ ディレクター
イベント制作会社、広告代理店での各種制作業務、グラフィック/WEBディレクターとしてのフリー活動を経て、2012年、ディレクタスに入社。Eメールマーケティング企画制作やPDCAサイクル運営サポートに従事。

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